週刊誌『AERA』に取材していただきました。11月10日発売です!
- Yuka Abe
- 10月21日
- 読了時間: 3分
更新日:2 日前
先日、朝日新聞出版の週刊誌『AERA』の野村昌二記者に取材していただきました。「言葉とやさしさ」をテーマにした特集の中で、がんになった時にかけられた優しい言葉、川越花冠の活動、そして川越花冠(かかん)の店名に込めた想いについてお話ししました。

看護師の言葉に救われた日
乳がんの手術を控えていた朝、ある看護師の言葉に救われたことがありました。その言葉に支えられた経験が、今の私の原点です。(この部分は「AERA」に掲載されますので、ぜひお読みください)
そして今、「川越花冠」というブランド名に「果敢に生きる」という思いを込めて、
フラワーリースを制作しています。
取材を通して、改めて“言葉の力”について深く考えるきっかけとなりました。
「果敢に生きる」という言葉に込めた願い
実は以前、「果敢に生きるって、がん患者には強すぎる言葉なんじゃないの?」
と言われたことがあります。
その言葉に、がっかりすると同時に、強い悔しさを覚えました。
「がん患者=弱い立場」という偏見が、
社会の中にいまだ根強く残っていることを痛感した瞬間でした。
こうした偏見は、「がんになった」というだけで
仕事や役職を外されたり、孤立を生んだりすることにつながります。
でも私は、がんを経験しても、治療と仕事や生活を両立する道はあると信じています。
病気になっても、その人の人格も尊厳も変わることはありません。
むしろ、がんを経験したからこそ、
人や社会の本質が見え、真剣に生きることの意味を知る。
そうして、自らの人生をサバイブしながら生きる――
それが、がんサバイバーの姿だと思うのです。
だからこそ私は、「果敢に生きる」という言葉は強すぎるどころか、
困難を越えてきた人たちを讃える、いちばんふさわしい言葉だと信じています。
言葉が過去と今をつなぐ
野村記者は、一つひとつの言葉をとても丁寧にすくい上げてくださいました。
取材の時間は、自分の原点を静かに見つめ直すような、心の奥が温かくなるひとときでした。言葉を通じて、過去と今とが手をつなぐ。そんな不思議な感覚を味わわせていただきました。
真のやさしさとは、闘う強さでもある
取材を受けながら、ふと一つのご縁を思い出しました。
AERAの出版元である朝日新聞出版の前身、朝日新聞社書籍編集部で部長を務められた花井正和先生に、早稲田大学の講座で文章を教わっていたのです。
先生の授業で印象に残っているのが、井上ひさしさんの「文は人なり」という言葉。文章はその人の生き方や心のあり方を映し出す。言葉の一つひとつに、その人の誠実さや思いが滲み出る――。
先生からは、テクニックよりも「本当のやさしさとは何か」を学びました。私にとってのやさしさとは、ただ笑ってうなずくことではなく、時には主張し、闘うことでもあるのだと思います。
私は、がん患者への根拠のないレッテル貼りと闘っていきたい。真のやさしさを持って、嘘なく、誠実に生きていきたい。
そして、「果敢に生きる」という言葉を胸に、花とともに、言葉とともに歩んでいきたいと思います。
おわりに
野村記者に、心より感謝申し上げます。だらだらとお話したことを、記者の視点で客観的にきれいにまとめてくれる、という貴重な体験ができました。
阿部優果
追記(2025/11/16)
この取材記事は、朝日新聞出版『AERA』11月10日発売号と、『ASAHI DIGITAL』に掲載されました。ぜひご覧いただけたら嬉しいです。






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